「使う」と「遣う」の使い分け、自信を持ってできていますか?
筆者、ぜんぜん自信がありません……。
そこでWebや辞書を調べてみた結果、行き着いた答えは「わからない」でした。
は?そんなことある??
と思ったあなた、そうですよねわかります。筆者もそう思いました。世の中、答えの出ない問題もたくさんあるんですね。
ではここで、「使う」と「遣う」の違いについて、調べた結果をご紹介します。
「使う」と「遣う」の違い
「使う」と「遣う」意味はほぼ同じです。使い分ける意味はあるのでしょうか?
普段は「使う」を使えばOK
もちいる、利用するという意味の「使う」。
道具を使う、頭を使うなど頻繁に使われる言葉ですね。
普段の「つかう」は基本的に「使」を使用しましょう。
遣う=思い通りに動かす・費やす
用いる・利用するという意味は「使う」と同じ。「遣う」には、言いつけて用をさせる、費やすなどの意味があります。
言葉遣い、気遣いなど。
お金にまつわることが多い?「遣い」
「金遣い」や「お小遣い」など、お金にまつわる言葉が多いのも特徴でしょう。
なんで違うの?ややこしや
どちらの漢字を使っても意味が間違いものは多いようです。
特徴としては、「遣」は「●●遣い」と表記する場合が多いとを覚えておきましょう。
迷ったときはひらがな「つかう」「つかい」でOK
ここまで書いたように、結局「使う」と「遣う」の使い分けはかなりあいまいです。迷ったら、ひらがなの「つかう」でOKだと思います。
たまに「言葉警察」がやいのやいの言いますが、それよりも読んでいる人に伝わることが重要です。
広辞苑では
つか・う 【使う・遣う】(中略)◇広く一般には「使」を用いる。金銭をつかう、心を働かせる、技や術を巧みに操る意のあるとき「遣」も用いるが、動詞形では、「気遣う」以外は「使」が普通になっている。
引用:『広辞苑 第六版 岩波書店』
上記のように、定義はあいまいです。辞書がここまでざっくりな表記なら、大抵のことは許される気がしてきました。
新明解国語辞典では
つか・う【使う】(中略)一部の用法は「遣う」とも書く
引用:『新明解国語辞典 第七版』三省堂
いやいや、“一部の用法は”って、かなり説明が雑ですよね。どっちでも大した問題じゃないよってことでしょうか。
記者ハンドブックでは
つかい・つかう(中略)遣〔特別用語。主に名詞に〕息遣い、上目遣い、仮名遣い、金遣い、気遣い、気遣う、心遣い、小遣い銭、言葉遣い、人形使い〔人形浄瑠璃〕、筆使い、無駄遣い、文字遣い、両刀遣い
〔注〕原則として「○○をつかう」などは「使」、「○○づかい」は「遣」。紛らわしいときは平仮名書き。「色づかい」は160ページ参照。(後略)
引用:『記者ハンドブック 第12版』共同通信社
もうね、「色づかい」が気になって仕方ないですよね。
色使い〔絵の具などの色の使い方〕独特の色使い
色遣い〔遊興で金銭を遣う〕遊里での色遣い
引用:『記者ハンドブック 第12版』共同通信社
つまり「色遣い」は……雑に言うと、遊郭で金を使うこと。現代ではあまり出番がない言葉かもしれません。
納得行かない「人使い」「魔法使い」「召使い」
「魔法使い」は、魔法を操るのに「遣う」は使いません。
「人使い」「小間使い」「召使い」なども人がお金で人をつかうのに「遣う」とは書きません。
これらの言葉は「例外として〜」と注意書きがされて「遣」ではなく「使」を用いるとありますが、その理由はわからないまま。
割り切れない問題もあるよね世の中、と納得しましょう。
気を使う・気を遣うは違う意味なの?
ネットで調べてみると「気を使う」「気を遣う」の意味は違うとの主張がちらほら見られました。
しかしこれは、かなり解釈がわかれているようです。
いくつかのWebや辞書から引用してみます。
気を遣う あれこれと配慮する。
引用:『慣用句・故事ことわざ・四字熟語使いさばき辞典』東京書籍
気を使う
周りの人などに配慮しながら、細かいところにまで意識をかたむけること。
「使う」は「遣う」とも書く。
引用:「気を使う」の意味│ことわざ辞典ONLINE.
気を使う
配慮する。心を配る。一般的には「気を遣う」と表記する。気遣い。
引用:「気を使う」の意味や使い方 Weblio辞書
まとめ
いろいろ調べて「使う」「遣う」に関してわかったのは「人によって意見が分かれる」ということでした。
「気をつかう」に関して言えば、筆者は「遣う」派です。
「気を使う」にすると、例えばゲームの「気」を使うとか「悟空が気を使って相手を倒す」のようなイメージが浮かんでしまうので。
「遣う」の方が、相手を思いやるイメージがあると思うのですが……どうでしょうか?
今回、言葉に確固たる正解はないんだなと、つくづく思いました。
もし「こんな記述もあるよ!」というのがあれば、ぜひ教えてくださいね。
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それでは、ここまで読んでくれたあなた、好きです!ありがとうございました。