次のふたつの発言を聞いて、違和感がありますか?
なんだこの事件、ぷんぷんにおうぞ!
どちらも違和感なく、日常的に使われている言葉ですよね。
ひらがなかカタカナか、という問題はあるにせよ、どちらも普通の表現です。
しかしよく考えてみると、冒頭に挙げたふたつの「ぷんぷん」は、意味が異なっています。
片方は怒りを表すオノマトペ、もう一方は臭いに関するオノマトペです。
なぜ両方「ぷんぷん」なのか? 気になったので探ってみました。
※探ってみたというよりも、連想して遊んでみました。
辞書による「ぷんぷん」の解説
「ぷんぷん」の意味を調べてみました。
〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 強いにおいのたちこめるさまを表わす語。転じて、何かの気配がたちこめるさまについてもいう。
※雑俳・柳多留‐二四(1791)「ふんふんとたばこはにほひ銭はなし」
② ひどく腹を立てて機嫌の悪いさまを表わす語。
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「憤々(プンプン)しながら晩餐を喫して」
[補注]①については漢語「芬芬(ふんぷん)」との関連も考えられるが、「ぷんぷん」はもっぱら強く鼻をつくにおいについていう。
コトバンク│精選版 日本国語大辞典「ぷんぷん」の解説
手元にある『擬音語・擬態語辞典』の「ぷんぷん」の項目にも、ほとんど同じことが書いてありました。
いずれにせよ「漢語との関係も考えられる」との記載で、はっきりしたことがわかりませんん。
匂いが「くさい」とき
臭う、クサイという意味のぷんぷんは、思わず連想してしまうのは糞(ふん)ですよね。
これは疑いようのない事実。
漢語の「芬芬(ふんぷん)」説が有力のようですが、筆者は「糞」を推してみます。
怒ってるとき
腹を立てる、怒っているときに使うぷんぷんは、憤怒の憤が連想できます。
憤がふたつ重なるということは、憤怒が過ぎる状態なのかもしれません。
ふたつの共通点を探したが見つからない?
どうして「くさい」「怒る」を表すオノマトペが同じなのか?
まずは図書館に行き、5種類くらいの語源辞典を調べてみました。
その結果わかったことは「オノマトペ」の語源はあまり載っていないという事実でした。
「臭うから腹が立つ」説
では「ぷんぷん」表現が一致したのは、ただの偶然なのでしょうか?
……考える筆者。すると
という、ごく当たり前の心の動きを思い出したんです。
もしかして、クサいと人間はイラっとくるから?だから「ぷんぷん」にはふたつの意味があるの?
「怒り」「クサい」どちらが先にできたオノマトペなのか、相当気になりますよね。
でも待って、調べ方がさっぱりわからないのです。
わき出す「噴出のふん→ぷん」説
もうひとつ浮かんだ仮説は
噴火のエネルギーと勢いが結びついた結果、マグマのような怒りが出てくる様子を「ぷんぷん」。
火山が爆発するかのような、強大なエネルギーで臭いを放つ「ぷんぷん」。
どちらもありそうな気がしてきました。困ったな……
粉っぽいことも「ぷんぷん」って言えそう
ふと思い立ってしまったのですが、「ぷんぷん」で「粉っぽい様子」も表現できそうですよね!
グラウンドに石灰で白線を引く=白線を引く先生の周りはぷんぷんだ!
みたいな。コレ、いけそうじゃないですか?
まとめ
日本語ってミステリー。せっかく調べてみたけれど、本でもネットでも全然わからず……筆者自ら、リサーチ力の低さを露呈する結果となりました。
とってもくやしいので、引き続き情報収集していきます。
もしかして……ここまで読んでくれたあなた、好きです!ありがとうございました。