先日、医療系の案件に携わっていた時に「ガンガンする頭痛」のような表現が出てきました。そこでふと、痛みについてあれこれと考えたのです。
例えばお腹が痛くて病院に行った場合、お医者さんは「どんな痛み?」と聞いてきますよね。
あと、どこが痛いの?とか。
しくしく痛む
ズキズキ痛む
キリキリ痛む
胃が痛い
肺が痛い
心臓が痛い
刺すような痛み
押されるような痛み
引っ張られるような痛み
……
これって、どうなんですか?
正確に答えらえる人なんて、いるのでしょうか。
困惑の幼少時代
とある夏、私は突然の腹痛に襲われのた打ち回りました。
腹を抑えて泣き叫ぶ私を見て慌てた親は、急いで車を出し病院へ。小学2~3年生の夏休み最後の日だったと思います。
病院に着くころにはだいぶ痛みが治まっていましたが、お医者さんに質問されたのです。
「どこがどんな風に痛い?胃が痛い?」
「えーーーーーーーっと……」
はっきり言って、胃が痛いってどういうことなのかわかりません。
胃なんて触ったことないし、
胃の筋肉動かしたことないし、
もっと言えば胃の存在を意識したことないし。
図鑑で見た胃の絵は思い浮かぶけど、それが自分の中にあるって考えたことなかったんですね。
いつの間にかみんなは、「胃」について考えてたの?
胃がどこにあって、どんな感覚なのか知ってるってこと?
「あ、これは胃が痛いんだなー」って、いつわかるようになったのよ?
大人の階段、いつのぼったワケよーーーーーー?
と、うまく説明できずにもどかしい気持ちになったのを思い出しました。
結局、その日下された診断は「食べ過ぎ」……なんじゃそりゃ。
痛みの種類は診断の手がかりになる
病院で「どんな風に痛いのか?」と聞くには、ちゃんと理由があるようです。
鋭い痛みと鈍い痛み、そして痛みの始まり方などを聞くと、どのような系統の症状なのかを判断する材料になるんだとか。
とてもわかりやすくおもしろい記事を見つけたので、引用させていただきます。
医者に行くじゃないですか。
「お腹が痛いんです」
とか言うじゃないですか。
そうすると、よく聞かれませんか?
「どんな痛みですか?」
って。
あれがね、困るんですよ。
どんなって言われても。形容し難いでしょ、痛みなんて
(中略)
現在医師である友人が書いたレス
(中略)
多くの場合、急に始まる痛みはやばいことが多いです。
(中略)
鋭い痛みは神経痛を疑うとか疝痛はおそらく腸が動くときのもので消化管の病気を疑うとか、そんなことを考えてるのです。鋭い痛みと鈍い痛みでは伝達してる神経の種類が違うんですよ。
どんな痛みですか?という質問には痛みの始まり方と鋭いのか鈍いのか、波があるような痛みなのか、で答えて下さい。どんな痛みか?を説明する 《 コラム・長崎ガイド 》
ほかにも、こんな記事がありました。
https://www.kango-roo.com/sn/a/view/632
みなさん、「痛みの表現」には苦心していたんですね。感覚的なものを言葉にして、なおかつ伝えるのは大変。
ポイントは、鋭い痛みか、鈍い痛みか。突然始まったか、じわじわ来たか。
この辺りみたいですね。
「痛みを説明する」という不思議
刺すような痛みとか言われても、お腹刺されたことないし、
ズキズキってなんだかよくわからないし、
キリキリなんてもはや想像もつかないし。
でももしかして刺されたらこんな痛みかもしれないぞ。
でも尖ったナイフで刺されるのと細い針で刺されるのじゃちょっと違うぞ。
あ、針で刺されるのはチクチクするか。
いや、でもチクチクだと剣山みたいにいっぱい針が付いてる感じだけど、1本の針だったらチクリになるのか……
∞
そんなことをぐるぐる考えるうち、痛いことを忘れそうですね。
とにかく、痛みっていうのは人それぞれ。
よく陣痛や出産の痛みは男にはわからない
いやいや、男性の“ナニ”に何かが当たった時の激痛は凄まじい
なんて言いますよね。
でも実際、男(女)にはわからない!のではなく、自分にしかわからない!が正解です。
陣痛や出産、たしかに痛いっちゃ痛いけど……
もっと凄まじいと思い込んでいた私は案外普通(?)にしてました。
いや、痛いんですけどね。
助産師さんに、
「あら?大変!もう産まれそうじゃない!! そこまで痛がってないからまだだと思ったのに。」
みたいに言われたのを覚えてます。
いや、痛いんですけどね。
痛みの感じ方もそれぞれだし、伝え方や表現もいろいろ。当たり前のことなんですが、なんだかおもしろいよなーと感じます。
痛みだけでなく、感覚を表現するのは至難のワザ。だからこそ作家がいて、詩人がいて、芸術家がいるんですね。
うーん、奥深い。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
それでは、また。泥ぬマコでしたー。