今回お話を聞いた弥生さん(右)
田舎暮らしとかIターンとか、気になるけど……
実際はどうなの?
ちゃんと生活できるの?
仕事はどうするの?
島の暮らしってどんな感じ?
疑問を抱く人も多いでしょう。
島に移住してくる人たちは、それぞれのドラマ・物語があります。
島暮らしのきっかけ、実際の生活、良かったこと悪かったこと。
普段はなかなか聞く機会のない“島暮らし”の実態とは……?
移住者・Iターン組のリアルな話、お届けしていきます。
奄美・移住者インタビュー 第1弾は、笠利町にお住いの弥生さんです。
彼女は、先日取材させていただいた【KOYA 藍色展】主催者のひとり。
京都生まれ京都育ちの弥生さん、奄美移住への道・奄美の生活をお聞きしました。
移住は「勢い」と「タイミング」
―奄美に移住したきっかけを教えてもらえますか?
「30歳になる前には辞めよう」と思っていた仕事を辞めて、旅行に出たんです。
石垣島とか、沖縄とか、日本も海外も、いろんな場所を旅してたなぁ。
そこでふらっと遊びに来たのが奄美大島との出会いです。
いつもと変わらない、普通の旅行気分だったのに……
自然がいっぱいで食べ物がおいしくて、何より人が優しい!ということに感動したんです。
だから奄美に住むのもいいかな~と思って、奄美の北から南まで島中をキャンプして回ってみました。
そして、親切な商店のおばあちゃんに紹介されて、空港近くで自分に合う家が見つかったんですよ。
しかも30歳の誕生日に。
そこで移住を決意したんです。
親もびっくりですよ。「ちょっと奄美いってくるわー」の次が「奄美に住む!」ですからね。
おまけに、住んで次の日からマンゴーハウスで働くことに。
大家さんがマンゴー農家だったんですよ。
貯金なんてほとんどなかったけど、あれよあれよという間に話が進んで移住。
とにかく、タイミングがよかったんですね。
完全に勢いまかせ。
気になる収入・仕事についてお話
―奄美で染物を売ろうと思ったのはなぜですか?
もともと、京都で藍染や草木染の体験をしたことがあって。
最初は仕事になるとは考えもしませんでした。
奄美に来て、泥染めとか藍染とかをそこら中でやってるじゃないですか?
以前の藍染体験もおもしろかったし、また体験に行ってみよう!となったんです。
そして藍染に行ったら、すっかり楽しさに目覚めてしまいました。
最初はとにかく楽しくて、夢中で染物をしていました。
一方で海外旅行に行った時に、服や小物の仕入れをはじめて……
そうこうやっているうちに、服やアクセサリーを販売して生計をたてるようになっていきました。
藍染を仕事にしよう!とまで思った大きなきっかけは、空港手づくり市です。
空港手づくり市はもう12~13年くらい続いているもの。
何人かの作家さんが集まって、奄美空港内で手作りの品を展示販売するんですよ。
今年は休みでしたが、お正月や夏などに開かれています。
そんな空港手づくり市に、藍染を始めてしばらくしてから出品させてもらうことになって。
それでますます楽しくなって、気付いたら仕事になってました。
色々とタイミングがよかったんですね。
―染物やアクセサリーを売って生計を立てているのでしょうか?
そうですね。染物(藍染・草木染など)や作ったものを売って生活しています。
とはいえ、自分のお店があるわけではありません。
月に一度のフリーマーケット(毎月第3日曜日・名瀬の奄美振興会館(一万人広場))に出店したり、神戸にあるお店(奄美大島発泥染め&自転車工房OHSARI)に置かせてもらったりしてます。
最近では、毎月18日に開催される癒しイベント・奄美のセラピー体験会(龍郷町浦486)にも出店中です。
あとは島の野外イベントなんかにも出店中。
毎年何回か京都に帰省するんですけど、そのタイミングで内地(本州)でやるイベントをチェクして出店もします。
ゆくゆくは自宅での販売とか、ネットでの通販とかも考えていますが……
まだ手が回らない状態です。
正直、そんなにたくさんの収入があるわけではないけれど、生活はできますよ。
野菜やフルーツは近所の方からもらえるし、近くにある無人直売所なら新鮮な野菜が100円で手に入りますから。
島ならではの生活リズムがちょうどいい
―島での日常・生活はどんな様子でなんでしょう?
染物やアクセサリー作りに関しては、何も決まってないし決めてないんです。
気が向いたら朝でも夜でも作業に没頭するし、気乗りしない時は手をつけません。
藍染なんかも月に何度か染に行くこともあれば、長い間行かない時もあるし。
仕事ですけど、気の向くままに。気が付いたらやめられなくなってます。
作業は気分次第ですが、出店はイベントごとに行きますよ。
さっきも言いましたけど、第3日曜のフリーマーケットとか、野外イベントとか。
島での生活での特徴と言えば……しょっちゅう友だちとご飯を一緒に食べたり、みんなで集まって時間を一緒にすごすことですかね?
本当に、週に3~4回くらい誰かと食べていますよ。
今日は一緒に食べよう!と予定を決めるわけではありません。
タイミングとか流れで集まって、
「じゃあ一緒にご飯食べる?」という、ゆるーい感じです。
みんなのんびりしていて気軽に誘えるし、堅苦しくないのがとってもいい。
子どもも大人もみんな楽しい&美味しいで、最高ですよね。
みんなで子育てをしている、という感じが大好き。
もう奄美以外には住めないかも…?
―移住してよかったこと、悪かったことを教えてください。
本当に、奄美は日本にいるのに日本でないような感じがします。日々旅行気分。
私はもう奄美以外には住めないかもしれませんね!
そのくらい、奄美の自然と人と食べ物が大好きなんです。
私にとって奄美は最高の楽園。
移住して悪かったことはほとんどないけれど……、強いて言うなら、孫を常に会わせてあげられないことくらいかな?
あとは奄美以外の友達に会うのに飛行機が必要なこと。それから車で他の地方にいけないことですね。
とはいっても、京都の実家には年に何度か帰省するし、両親もよく行き来しています。
―最後に、奄美移住を考えてる方へひとことお願いします。
とにかく一度、奄美に来てください!
写真では伝わらない良さが、奄美にはギッシリ詰まっています。
実際に来て、自然や人に触れたら惚れ込みますよ。
のんびりゆるーり、心地よい生活をしていらっしゃるんですね。
弥生さん、貴重なお話をありがとうございました。
奄美への移住を考えている方、奄美ではないけれど田舎暮らしやIターンを考えている方、少しでも移住者の実態を感じていただけたでしょうか?
人に歴史あり、移住にストーリーあり、そしてそれぞれの生活あり。
今後も、たくさんの移住者にお話を聞いていきますよー。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
それでは、また。泥ぬマコでしたー。
内村 弥生(うちむら・やよい)
1977年京都生まれの京都育ち。娘・息子を持つシングルマザー。
奄美在住は9年目。現在は『amaai☆amami』ブランドで服やアクセサリーを作成中。
【取扱い店&出店情報】
奄美大島発泥染め&自転車工房OHSARI
毎月第3日曜 フリーマーケット 名瀬の奄美振興会館(一万人広場)
毎月18日 奄美のセラピー体験会(龍郷町浦486)