先日、奄美大島のフリーペーパー『マチイロマガジン vol.39』の取材でお邪魔したお店、『Pousser(プッセ)』をご紹介します!
あまりの美味しさに軽くカルチャーショックを受けました。
この味はシェフと奥様の深いこだわり、そして長い経験のなせるワザ。取材ということを忘れ、あれやこれやと熱中してお話ししてしまいました。
ちょうどいい広さの居心地よい空間
お店の外観を始めて見た感じ、ずいぶんとこぢんまりした店だな……という印象。
ところが中に入れば意外と広いスペース。
いや、広すぎず狭すぎず、ちょうどよい空間が広がっていたんです。
「天井をギリギリまで高くしたんです」とシェフのお言葉。
さすが、こだわりがあちこちに光っております。
店内の壁は薄いクリーム色。テーブルやイスはシンプルながらも落ち着く質感と色合いで、とにかく居心地よくくつろげるのが特徴。つい長居したくなるお店です。
”フランス料理”と聞くと
「私なんかがお邪魔してだいじょうぶか?」
「お作法とか知らないけど恥をかかないか?」
なーんていらん心配ばかりして、内心ビクビクしていたんですが……
「気取らない感じで、気軽に立ち寄って欲しい」
とおっしゃる通り、気さくな感じで肩がこりません。
居酒屋ほど飲む場所ではない、けれどもかしこまって食べる必要もない。おいしいものを美味しく楽しくいただく。
そんな幸せをじっくり噛みしめられるお店なんです。
店内のところどころに配した緑が爽やかな空気を運んでくれるよう。
珍しいお肉=プッセ!
”プッセに来れば珍しい肉料理が食べられる!”というのも売りのひとつ。鴨、仔羊、角短牛、シカ肉などなど、普段はお目にかかれないお肉料理がここにはあります。
お肉以外にも奄美近海で水揚げされた新鮮な魚や、奄美産のお野菜など、地の食材と珍しい食材で作り上げられるメニューが豊富です。
この日いただいたのは仔羊のローストと自家製パン。
分厚くカットされた仔羊は中心がほんのり桜色のレア。肉の柔らかみと味を出すための程よい焼き加減なんだとか。
本場フランスではもっとレアだけど、日本人好みにアレンジしてあるんです。
臭みもクセも少なく、ただひたすらに美味しい!幸せな肉汁が口の中にひろがります。
そして付け合せのラタトゥイユ。ぎゅっとした野菜の旨味を閉じ込めて、肉の味に彩りを添えています。
さすが東京での調理歴22年というシェフ。ただものじゃありません。
熱烈なファンを持つ自家製パン
そして絶対忘れずにオーダーして欲しいのが自家製パン。
柔らかくてふわっと香りが広がって、信じられないくらいの美味!
おおげさでなく、今まで味わったことのないパンの風味。なんだこれはーーーーーー!まさに衝撃でした。
奥様いわく、
「島の人にご飯が欲しいってよく言われるんですが、ぜひパンで食べて欲しいと思います。驚くほど柔らかくて、とにかくお料理にあうんです。」
とのこと。
確かに、固いフランスパンも嫌いじゃないけど、このパンには到底およばないわーと感じました。
パンだけで売ってくれというファンもいるほど大好評。
いつもはご飯派のお父さんや奥様方もプッセに限ってはパン党になるようです。
かくいう私も、すっかり虜になりました!
自家製レモンチェッロの誘惑
お料理と一緒にオススメしたいのが里の曙黒麹仕込みの炭酸割りにレモンチェッロを注いで飲む「ハナハイチェロボール」です。
炭酸割に黄色いレモンチェッロが注がれる瞬間……
まるでインクが水に溶けるようにふわふわっと広がる様子は必見です!
小さい頃、色水を作って遊んだ時のようなワクワク感を味わいましょう。
自家製レモンチェッロはレモンの皮の黄色い部分だけを大量に使い、スピリタス(ウォッカ)や炭酸水、砂糖で付け込んだリキュールです。
アルコール度数はそんなに低くないのに、するすると飲めてしまうから不思議です。フランスでは食後酒として馴染のあるものだそう。
ぎゅっとしたレモンの味と焼酎と炭酸と、絶妙な取り合わせで一度飲めばまた飲みたくなる後味ですよ。
今後の展開に期待!!
シェフと奥様には、今後もいろいろな野望があるご様子。
「まだ実現できるかはわからないけれど……」
そういいながら、キラキラとした顔が忘れられません。
このおふたりなら、きっとまた楽しいことをしてくれるに違いない!
そんな風に思います。
お店に行った際には、ぜひ「店名の由来」を聞いてみてください。
あなたは必ず「なるほど!」と言ってしまうハズ……ふふふ
ここまで読んでいただきありがとうございます!
それでは、また。泥ぬマコでしたー。
◆Pousser(プッセ)
電話 0997-69-3922
住所 奄美市名瀬入舟町17-10
営業時間
ランチ 11:30~14:30 L.O.
ディナー18:00~21:30 L.O.